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微生物

微生物(びせいぶつ、英: microorganism, or microbe)は、単細胞または細胞の群体として存在する、微視的な大きさの生物である。

目に見えない微生物が存在する可能性は、紀元前6世紀のインドのジャイナ教の経典など、古くから信じられてきた。微生物の科学的研究は、1670年代のアントニ・ファン・レーウェンフックによる顕微鏡での観察から始まった。1850年代に、ルイ・パスツールは、微生物が食品を腐敗させることを発見し、自然発生説を否定した。1880年代に、ロベルト・コッホは、微生物が結核、コレラ、ジフテリア、炭疽症のような病気の原因であることを発見した。

微生物には、生命の3つのドメイン(領域)すべてに属するほとんどの単細胞生物が含まれるため、極めて多種多様である。3つのドメインのうち2つ、古細菌と細菌には微生物しか含まれていない。第3のドメインである真核生物には、すべての多細胞生物と、微生物である多くの単細胞原生生物や原生動物が含まれている。原生生物には、動物に関係するものや、緑色植物に関係するものもある。また、微小な多細胞生物、すなわち微小動物、一部の真菌類、一部の藻類も存在するが、これらは一般に微生物とはみなされない。

微生物の生息環境は実に多様で、南北極から赤道、砂漠、間欠泉、岩石、深海まで、あらゆる場所に生息している。非常な暑さや寒さに適応するものもあれば、高圧に適応するもの、そしてディノコッカス・ラディオデュランスのように放射線環境に適応する少数もある。微生物はまた、すべての多細胞生物の内部および表面に見られる微生物叢(そう)を構成している。34億5,000万年前のオーストラリアの岩石に、かつて微生物が存在していた証拠があり、これは地球上に生命が存在したことを示す最古の直接的証拠である。

微生物は、食品を発酵させたり、汚水を処理したり、燃料や酵素やその他の生理活性物質を生産したりと、さまざまな形で人間の文化や健康に重要な役割を果たしている。微生物はモデル生物として生物学に不可欠な道具であり、生物戦争やバイオテロリズムにも使われてきた。微生物は肥沃な土壌に不可欠な構成要素でもある。人体では不可欠な腸内細菌叢を含め、微生物がヒト微生物叢を構成している。多くの感染症の原因となる病原体は微生物であり、衛生手段の対象でもある。

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