マッチ - オンラインパズル
マッチ
マッチ(英: Match、燐寸)は細く短い軸の先端に、発火性のある混合物(頭薬)をつけた軸木(マッチ棒)と、側薬を塗付した側面とを摩擦させるなどして、発火させ、火を得るための道具。喫煙や料理などの火起こしに使われる。
木や紙などでできた細く短い軸の先端に、発火性のある混合物(頭薬)をつけた形状をしている。リン(燐)の燃えやすい性質を利用している。19世紀半ばには側面に赤燐を使用し、発火部の頭薬に塩素酸カリウムを用い、頭薬を側薬(横薬とも)にこすりつけないと発火しない安全マッチが登場した。
発火点は約150度。マッチは一度濡れると頭薬の塩素酸カリウムが溶け出てしまうために、それを乾かしたとしても使えなくなってしまう。そのため、防水マッチが考案されている。
日本で現在見られるマッチは通常、軸が木製で、箱(マッチ箱)に収められている製品が一般的である。軸木にはポプラ、シナノキ、サワグルミ、エゾマツ、トドマツなどが使われる。日本で現在製造されているマッチの軸木は殆どが中国やスウェーデンからの輸入品である。箱の大きさは携帯向けの小箱から、卓上用の大箱まで様々なものがある。軸が厚紙製で、本(ブック)の表紙のような紙で挟んだブックマッチ(英語名:matchbook)もあるが、日本国内での生産は兵庫県姫路市の日東社を最後に2022年7月21日で終了した。
古代から使われていた火打石や種火の保管などに比べて容易かつ安全に着火できるため、かつては広く用いられた。現在ではコンロやストーブなどの火を使う製品にはほぼ漏れなく点火装置が付くようになった。煙草の着火用としても使い捨てタイプを含むライターが普及したほか、喫煙率の低下と電子たばこへのシフトもあり、マッチの需要は大きく減少した(パイプ用マッチなどを除く)。このためマッチ業界は、アロマキャンドル用や災害に備えた缶入りのマッチや、マッチ技術を転用した着火具不要の棒香などを開発している。
仏壇のある家庭での蝋燭の着火用や、学校の理科の授業などでアルコールランプを点火するためにも用いられていたが、これらもより安全なライターへの置き換えが進んでいる。
かつては殆どの家にマッチがあったことから、大きさの比較対象として、マッチを被写体の横に並べて写真を撮影することは現在でも見られる。
マッチ箱自体に広告を印刷することが可能であるため、安価なライターが普及した現在でも、飲食店や宿泊施設等では自店の連絡先等を入れたマッチ(小箱のもの、またはブックマッチが多い)を、サービスで客に配ることが多い。このような様々なマッチ箱を収集の対象とする者もおり、日本の兵庫県神戸市にはマッチ箱を集めた私設の「たるみ燐寸博物館」が2015年に開設された。幕末明治から貿易港として発展した神戸の周辺にはマッチメーカーが集まり、業界団体である日本燐寸工業会も神戸市に所在する。