ボディビル - オンラインパズル
ボディビル
ボディビル(Bodybuilding、ボディビルディング)とは、筋肉組織の構築を制御ないし発達を目的とした漸進性抵抗運動(Progressive Resistance Exercise)。肉体的強さではなく、あくまで外見が重要であり、重量挙げとは別物である。これに従事する者たちは「ボディビルダー」(Bodybuilder)と呼ばれる。競技に参加するボディビルダーたちは、体躯の調和・均整美、筋骨の強壮さ、筋肉の大きさ、体調を競い、舞台に立つにあたって格付け審査員に向けて構えをきめる。ボディビルダーたちは、脱水とカーボ・ローディング(Carbo-Loading, 炭水化物の摂取を増やすことで、グリコーゲン〈Glycogen〉を体内に貯蓄する食事法)を組み合わせ、競技出場前の最終段階において不要な体脂肪を減らし、最大量の筋肉とその鮮明な輪郭および血管の分布の構築を完遂する。舞台上集中光線を浴びる彼らは明暗を強調する目的から、身体を日焼けさせ、髭を剃る。国際ボディビル連盟が主催する『ミスター・オリンピア』(Mr. Olympia)で優勝した者は、ボディビル界の頂点に立つ存在と見なされることが多い。1950年以来、全米ボディビル愛好協会(The National Amateur Body-Builders' Association)が主催する世界選手権では、アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)を始めとする名の知れた受賞者がおり、これに勝ち残った者は専門職としての運動競技選手になることが多い。
ボディビルにおいては、薬物の服用は禁止である。また、ボディビルにおいては実演よりも外見が重要視される。筋肉の発達や性能を高めるよりも、見た目を重視する目的から、薬物に手を出す者もいる。表向きは「薬物の服用は禁止」であるが、実際には、筋肉増強作用を持つアナボリック・ステロイド(Anabolic Steroid)を服用するボディビルダーは数多い。
ボディビルダーの独自性は比較ができないものであり、ボディビルは個性の構築を主体的に強化する可能性がある一方で、個性の葛藤、不快な経験、自我の危険性をもたらす可能性があることを示唆している。
ボディビルダーたちは、自分たちのやっていることを「運動競技」と考えているが、主流のスポーツ界はそのようには見做しておらず、ボディビルは正当性の危機に直面している。国際オリンピック委員会も同様の立場であり、ボディビルを「運動競技」とは見做していない。ボディビルダーたちによる薬物乱用の問題が基本的な焦点となっている。
リッチ・ピアーナ(Rich Piana)を初めとして、筋肉の増量と肥大を目的に、アナボリック・ステロイドのみならず、インスリン(Insulin)を乱用するボディビルダーもいる。ピアーナは2017年に突然死に近い形で死亡しており、インスリンの乱用を疑う声がある。インスリンはステロイドと同じく、筋肉の成長を促す同化作用が強く、ボディビルダーたちが服用している。また、インスリンはすでに血中にあり、検出されることが無い。インスリンは身体を太らせる作用が非常に強いホルモンであり、ボディビルダーたちが理想として描いている肉体の構築を困難にする。インスリンを乱用するボディビルダーが増えていることについて、『ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディスン』(British Journal of Sports Medicine)に掲載された論文「Insulin as a drug of abuse in body building」(『ボディビルダーたちによる乱用薬物としてのインスリン』)では、「筋肉を肥大させる目的でのインスリンの服用は非常に危険である」と警告している。