ハロン湾 - オンラインパズル
ハロン湾
ハロン湾(下竜湾、ハロンわん、ベトナム語:Vịnh Hạ Long / 泳下龍)は、ベトナム北部、トンキン湾北西部にある湾。漢字表記は下龍湾。クアンニン省のハロン市の南に位置し、カットバー島のほか、石灰岩のカルスト地形からなる大小3,000もの奇岩、島々が存在する。伝承では、中国がベトナムに侵攻してきた時、竜の親子が現れ敵を破り、口から吐き出した宝石が湾内の島々になったと伝えられている。カットバー島以外の島々は現在は無人だが、約7,000年前の新石器時代にはわずかに人が住んでいた。また、数世紀前までは海賊の隠れ家として利用され、モンゴル帝国のベトナム侵攻の際には軍事的に利用された。
彫刻作品のような島々の景観は、太陽の位置によって輝きが変化し、雨や霧によってまた趣のある雰囲気を醸し出す。地質学的には北は桂林(中国広西チワン族自治区)から、南はニンビンまでの広大な石灰岩台地の一角である。石灰岩台地が沈降し、侵食作用が進んで、現在の姿となった。また、島々の生物相も豊富で、カットバー島には固有種のカットバラングールが住んでいるほか、絶滅の危機に瀕しているタイマイ、タツノオトシゴなども生息している。一帯は湿潤熱帯モンスーン気候で、雨季と乾季がはっきりと分かれている。ベトナムの海岸を襲う台風の28%がこの地域に現れるなど、台風の頻度も高い。
1994年にユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録。また、カットバー島一帯は熱帯湿潤林、湿地、マングローブ、サンゴ礁、海草の藻場が多く、2004年にユネスコの生物圏保護区に指定された。ユネスコが支援するフランスのNGO世界で最も美しい湾クラブにも加盟している。
「キングコング:髑髏島の巨神」の公式ビジュアルに使用されている。