トゥンカル(チベット語:དུང་དཀར་ dung dkar)はチベット語で「白い法螺貝」を意味する。梵語で法螺貝を意味するシャンカ(śaṅkha)とも呼ばれる。白い法螺貝の上に鏤められた錫や青銅の象眼細工や良きエネルギーを表す明色のビーズによって飾りがなされている。
インド史を通じ、法螺貝は大いなる力・権力・威信の象徴であった。インドの叙事詩の英雄達はみな名を持った白い法螺貝を持っていた。英雄が白い法螺貝を鳴らすとき敵軍は恐怖に慄き、それは戦いの始まりを意味した。この古の信仰はチベット音楽における、白い法螺貝の平和と良きエネルギーの神聖なる象徴というイメージへ影響していると考えられる。
トゥンカルは有史以来宗教楽器としてチベットの宗教音楽において使われてきた。チベットでは仏教の到来以前、シャーマニズムであるボン教が信仰されていて、トゥンカルは霊を呼び起こして家畜や作物の成長を助けたり、病や破滅を齎す(もたらす)悪霊を消し去るために使われていた。今となってはトゥンカルは主に仏教寺院か興行において見られ、非宗教的な使い方は非常に稀である。
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